計算ツール / 減価償却

耐用年数省令 別表第八〜十 準拠

減価償却 定率法 計算機

定率法は、償却率で計算した額が償却保証額を下回った年から計算方法が切り替わります。その年の期首簿価(改定取得価額)に改定償却率を掛けた額が、以後は毎年同じ額として続きます。取得価額と耐用年数を入れると、切り替わる年を判定して最終年まで年次表を出します。

条件

購入代金に引取運賃・据付費など、事業の用に供するための費用を含めた額。
耐用年数省令の別表で決まります。2〜100年。
法定償却方法は、個人は定額法、法人は定率法(建物・建物附属設備・構築物などを除く)。
定率法の償却率は平成24年4月1日に引き下げられました。
1月に満たない端数は1月とします(耐用年数省令5⑤)。2年目以降は12か月。
平成19年4月1日以後に取得した有形減価償却資産は1円まで償却します。

定率法はなぜ途中で式が変わるのか

定率法は未償却残高に一定の率を掛けるため、そのままではいつまでも残高がゼロにならない(掛けるたびに一定割合が残る)。そこで耐用年数の終わりまでに償却しきるよう、途中から均等償却に切り替える仕組みが入っています。

切り替えの判定に使うのが償却保証額です。

償却保証額 = 取得価額 × 保証率
調整前償却額 = 期首未償却残高 × 定率法の償却率

調整前償却額 < 償却保証額 となった年から、
償却費 = 改定取得価額 × 改定償却率

改定取得価額とは、調整前償却額が初めて償却保証額に満たなくなる年の期首未償却残高です。取得価額ではありません。以後の年はこの同じ金額に改定償却率を掛け続けるので、償却費は毎年同額になります。連続する2以上の年で下回る場合は、最も古い年の期首未償却残高を使います。

改定償却率に一度切り替わったら、もとの定率法の償却率には戻りません。残高が減っても再判定はしません。

取得時期で償却率表が変わる

取得日定率法償却率表
平成24年4月1日以後200%定率法(定額法の償却率の2倍)耐用年数省令 別表第十
平成19年4月1日〜平成24年3月31日250%定率法(同2.5倍)耐用年数省令 別表第九
平成19年3月31日以前旧定率法耐用年数省令 別表第七

旧定額法・旧定率法(平成19年3月31日以前に取得)は別の制度です。残存価額(取得価額の10%)と償却可能限度額(同95%)があり、95%に達した翌年から5年間の均等償却に移ります。この計算機では扱いません。

端数処理 — 1円ずれる原因

耐用年数省令にも政令にも、円未満の端数についての定めはありません。省令の端数規定は年数(1年未満切捨て)と月数(1月未満は1月)だけで、金額には及びません。

そこで国税庁の記載例から決めます。答えは切捨てです。タックスアンサー No.5410 は各年の算式を数値つきで印字しており、3つの例の24行すべてが切捨てで整合します。

421,875 × 0.250 × 12 / 12 = 105,468 (105,468.75 を切り捨て)
316,407 × 0.250 × 12 / 12 = 79,101 (79,101.75 を切り捨て)
237,306 × 0.334 × 12 / 12 = 79,260 (79,260.204 を切り捨て)

— 国税庁 No.5410「200%定率法による計算例」

月割は切り捨てる前に掛けます。国税庁が 1,000,000 × 0.250 × 12 / 12 と1本の式で書いているとおりです。償却率を先に月割して丸める実装とは結果が変わります。

国税庁のページ間に1円の不一致があります。No.2106(所得税)の「250%定率法・耐用年数10年」の例は、改定取得価額を 133,483円、8年目の償却費を 44,584円としています。しかしこの値は4年目 105,468.75 と5年目 79,101.75 を切り上げないと出てきません。同じ計算を No.5410 は 105,46879,101 と明記しています。この計算機は No.5410(切捨て)に合わせているため、この1例だけは国税庁の表記と一致しません。償却限度額は「限度」であり、切り上げると限度を超えます。

よくある質問

定額法と定率法はどちらが有利ですか?

償却の総額はどちらも同じ(取得価額−備忘価額1円)で、変わるのは各年への配分だけです。定率法は初年度が最も大きく年々減り、定額法は毎年同額です。早く費用にしたいなら定率法ですが、赤字の年に大きく落としても繰越欠損金の期限内に使えなければ意味がありません。上の年次表で両方の配分を見て判断してください。

なお法定償却方法は、個人は定額法、法人は定率法です(届出をすれば変更できます)。ただし建物、建物附属設備、構築物、および無形固定資産は定額法しか選べません

改定取得価額は取得価額のことですか?

違います。調整前償却額が初めて償却保証額に満たなくなる年の期首未償却残高です。取得価額100万円・耐用年数8年・200%定率法なら、6年目の期首簿価 237,306円が改定取得価額になります。以後はこの237,306円に改定償却率0.334を掛けた79,260円が毎年の償却費です。

年の途中で買った資産はどう計算しますか?

初年度は × 事業の用に供した月数 / 12 を掛けます。月数は暦に従って計算し、1月に満たない端数は1月とします(耐用年数省令5⑤)。取得日ではなく事業の用に供した日が起点です。2年目以降は12か月で計算します。

最後の1円は何ですか?

備忘価額です。平成19年4月1日以後に取得した有形減価償却資産(坑道を除く)と生物は、取得価額から1円を控除した金額が償却の限度で、資産を持っている間は帳簿に1円が残ります。除却・売却したときにこの1円を落とします。坑道と無形固定資産には備忘価額がなく、取得価額まで償却できます。

耐用年数の年に償却が終わらないことがあるのはなぜですか?

端数の切捨てが積み上がるからです。たとえば取得価額100万円・耐用年数12年・200%定率法では、改定取得価額 278,303円 × 改定償却率 0.200 = 55,660.6円 を切り捨てた 55,660円 を5年ぶん引くと 3円残り、13年目に繰り越します。償却限度額は「限度」であって、耐用年数の年に必ず償却しきることを求める規定ではありません。上の年次表は備忘価額に達するまで出します。

逆に、取得価額が小さく耐用年数が長いと償却費が0円になって進まなくなります。10万円未満の資産は少額減価償却資産として取得時に全額を費用にでき、20万円未満なら一括償却資産として3年均等償却も選べます。

償却率はどこから取っていますか?

減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)の別表第八(定額法)・別表第九(250%定率法)・別表第十(200%定率法)を、e-Gov 法令検索の条文から機械的に読み込んでいます。耐用年数2年から100年まで全99行です。率は整数で保持しており(償却率は1/1000単位、保証率は1/100000単位)、浮動小数の誤差が取得価額との積に混入しません。

入力した金額はどこかに送信されますか?

されません。計算はすべてブラウザの中で完結します。このページは外部への通信を Content-Security-Policyconnect-src 'none' で禁止しており、送信しようとしてもブラウザが遮断します。入力内容の保存はお使いのブラウザの中(localStorage)だけです。

この計算機が扱わないもの

旧定額法・旧定率法(平成19年3月31日以前の取得)、資本的支出があった場合の取得価額の特例、中古資産の見積耐用年数、一括償却資産(3年均等)と少額減価償却資産の特例、増加償却・特別償却、リース資産のリース期間定額法、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物の定率法廃止に伴う経過措置。該当する場合は所轄税務署または税理士にご確認ください。

出典

根拠法令等: 所令120の2・132・134、法法31、法令48の2・56・61、耐省令5、耐省令別表第八〜十。条文の確認日 2026年8月27日。制度は改正されます。申告前に上記の出典で最新版をご確認ください。