計算ツール / 簡易課税 みなし仕入率

消費税法施行令57条 準拠

簡易課税 みなし仕入率 計算機

2種類以上の事業を営む場合、控除対象仕入税額は原則計算と特例計算(75%ルール)のどれを選んでもよく、有利な方を選べます。事業区分ごとの税込売上を入れると、適用できる計算方法をすべて計算して、いちばん控除額の大きい方法と納付税額を表示します。

事業区分ごとの課税売上高

事業区分 税率 課税売上高(税込) 売上対価の返還等(税込) 削除
課税売上げの売掛金等が貸倒れになった金額。ない場合は空欄のまま。
貸倒れが回収できた場合(貸倒回収額)はこの計算機では扱えません。

みなし仕入率と事業区分

簡易課税制度は、実際の仕入れを集計せずに、売上げの消費税額に事業区分ごとの率を掛けた額を仕入税額控除とみなす制度です。適用できるのは、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していて、基準期間(個人は前々年、法人は原則前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の課税期間です。

事業区分みなし仕入率該当する事業
第1種事業90%卸売業。購入した商品を性質・形状を変更せず他の事業者に販売する事業
第2種事業80%小売業(同じく変更せずに販売する事業で第1種以外)、農業・林業・漁業のうち飲食料品の譲渡に係る部分
第3種事業70%農林漁業(飲食料品の譲渡を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む)、電気・ガス・熱供給・水道業。第1種・第2種に当たるもの、および加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く
第4種事業60%第1・2・3・5・6種のいずれにも当たらない事業。飲食店業、第3種から除かれる加工賃等、自己が使用していた固定資産の譲渡
第5種事業50%運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業を除く)。第1〜3種に当たるものを除く
第6種事業40%不動産業(第1〜5種に当たるものを除く)

判定は事業者単位ではなく、原則として課税資産の譲渡等ごと(取引ごと)に行います。第3種・第5種・第6種は、おおむね日本標準産業分類の大分類を基礎に判定します。

見落としやすいのが第4種です。飲食店業のほか、事業で使っていた車両や機械を売った収入もここに入ります。本業が第2種でも、固定資産を売った年は2種類の事業を営んだことになり、計算方法が変わります。

原則計算と特例計算

営む事業が1種類だけなら、基礎となる消費税額にその率を掛けるだけです。2種類以上になると、次のうち適用できるものから任意に選べます

原則計算

事業区分ごとの消費税額に、それぞれのみなし仕入率を掛けて加重平均します。

控除対象仕入税額 = 基礎となる消費税額 ×
 Σ(各事業の消費税額 × その事業のみなし仕入率)÷ 事業区分別の消費税額の合計額

特例計算① — 1種類が75%以上

ある1種類の事業の課税売上高(税抜)が全体の75%以上を占めるなら、その事業のみなし仕入率を全体に適用できます(消令57③一)。

特例計算② — 2種類の合計が75%以上

特定の2つの事業の課税売上高の合計が全体の75%以上なら、そのうち率の高い方にはその率を、それ以外のすべての事業には率の低い方を適用できます(消令57③二)。

ここが最も取り違えられます。「それ以外」は、選んだ2つのうち低い方の事業だけではなく、残り全部です。条文は「売上げに係る消費税額から第一種事業に係る消費税額を控除した金額に…を乗じて計算した金額」と定めており、75%に数えていない第3の事業の売上げにも、低い方の率が適用されます。

選択にあたっての制約は1つだけです。適用税率ごとに異なる計算方法は選べません。10%分だけ特例、8%分は原則、という組み合わせはできません。

端数処理 — 1円ずれる原因

計算は国税分で行います。標準税率10%は国税7.8%(分母110)、軽減税率8%は国税6.24%(分母108)です。「10%」のまま計算すると、国税庁の記載例が再現できません。

そして、国税庁の手引きはこう書いています。

金額の計算過程において生じた1円未満の端数については、その都度切り捨てます

— 法人用「消費税及び地方消費税の申告書(簡易課税用)の書き方」(令和7年11月)12ページ

最後にまとめて丸めるのではなく、途中の各段階で切り捨てるという意味です。特に効くのは原則計算・特例計算②の分子で、事業区分ごとの「消費税額 × みなし仕入率」を1件ずつ切り捨ててから合計します。完全精度のまま通して最後だけ切り捨てると、国税庁の記載例②で 560,687円 となり、正解の 560,685円 と2円ずれます。

なお課税標準額だけは千円未満切捨て、最後の納付税額は百円未満切捨てです。

75%の判定は、表示用に丸めた売上割合ではなく正確な比で行います。国税庁の手引きも「87.931…%」と書いており、切り捨てた表示値ではなく実際の比で判定しています。この計算機も同じです。

よくある質問

事業ごとに売上げを区分していない場合はどうなりますか?

区分していない課税売上げは、その区分していない事業のうち一番低いみなし仕入率の事業に係るものとして扱います(消令57④)。たとえば第1種と第2種を区分していなければ全額が第2種、第1種・第2種・第3種を区分していなければ全額が第3種の扱いです。区分している事業と区分していない事業が混在する場合は、区分している分にはその事業の率を、区分していない分には最も低い率を使います。

この計算機は区分済みの金額を入れる前提です。区分していない分がある場合は、その金額を該当する一番低い事業区分の行にまとめて入力してください。

原則計算より特例計算のほうが必ず有利ですか?

いいえ。有利になるとは限りません。特例計算は「その率を全体に適用できる」だけなので、75%以上を占める事業のみなし仕入率が、全体の加重平均より低い場合は原則計算のほうが有利になります。だからこの計算機は適用できる方法をすべて計算して並べています。

簡便法は使えますか?

貸倒回収額がなく、かつ各事業の売上対価の返還等がその事業の消費税額を超えない場合は、基礎となる消費税額を使わずに「各事業の消費税額 × 率」を合計するだけの簡便法も認められています。ただし手引き自身が「簡便法の場合、計算結果が異なります」と注記しているとおり、原則計算と一致しません。この計算機は申告書の付表5-3 と同じ原則計算・特例計算のみを出します。

2割特例とはどう違いますか?

2割特例は、免税事業者からインボイス発行事業者になった小規模事業者の経過措置で、事業区分に関係なく売上税額の一律8割を控除できるものです(平28改正法附則51の2)。簡易課税とは別制度で、届出も不要です。適用できる場合は、簡易課税の第1種(90%)以外はすべて2割特例のほうが有利になります。この計算機は簡易課税のみを扱います。

入力した金額はどこかに送信されますか?

されません。計算はすべてブラウザの中で完結します。このページは外部への通信を Content-Security-Policyconnect-src 'none' で禁止しており、送信しようとしてもブラウザが遮断します。入力内容の保存はお使いのブラウザの中(localStorage)だけです。

この計算機が扱わないもの

貸倒回収に係る消費税額(付表5-3②欄)、各事業の売上対価の返還等がその事業の消費税額を上回る場合、旧税率(3%・4%・6.3%)が適用された取引、控除不足による還付申告の詳細。いずれも手引きが別の記載方法を指示している場合です。該当する場合は申告書の付表4-3・付表5-3 に直接あたってください。

出典

条文・通達の確認日 2026年8月27日。制度は改正されます。申告前に上記の出典で最新版をご確認ください。